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地域課題の解決に対するセーフティーネットづくりについて
9月定例会で一般質問させていただきました!項目ごとに紹介させて頂きます。
皆さま、おはようございます。
公明党の竹尾 智枝でございます。傍聴席の皆さまお忙しい中、足をお運び頂き本当に有り難うございます。また、さくらFMをお聞きの皆さま耳を傾けて頂き本当に有り難うございます。
今回も市民の皆さまから頂きました声をしっかりお届けできますよう最後まで頑張りますので宜しくお願い致します。それでは、通告に従いまして順次始めさせていただきます。
大きな項目の1番目、地域課題の解決に対するセーフティーネットづくりです。
日本の社会においては、少子高齢化が急速に進み、核家族化の進行とも相まって、独り暮らしの高齢者や高齢者のみの世帯が増加しています。また、長引く不況による失業者が増加し、都市化の進行により地域のつながりが弱まる中で、今の既存の制度で解決できない問題が多く出てきております。例えば、リストラ・経済破綻や、年齢を問わない精神的な病などによるひきこもり、発達障がいの方の就労支援、ホームレス、ごみ屋敷、若年性認知症、認知症による徘徊など地域の中で、様々な生活課題を抱える人が増えております。そういった人の中には抱える問題を誰にも相談することなく深刻化させている事例もございます。
そのような状況の中、大阪府では、平成16年から地域課題の解決に対するセーフティネットづくりのしくみで、中学校単位にコミュニティソーシャルワーカーの設置をしております。
このコミュニティソーシャルワーカー(以後、CSWと申し上げます。)を先進的に行っていますのが、昨年中核市となりました豊中市でございます。豊中市では地域で暮らす生活課題を抱える住民への支援体制を市内7ヶ所にわけCSWを社会福祉協議会に事業が委託されました。現在14名の方が配置され様々な生活課題に対応されています。
本日は、机上に資料を配布させて頂いております。
表が豊中市のライフセーフティネットの構築図です。
構築図を見ていただければわかるようにCSWは、小学校区域に設置された福祉なんでも相談窓口、また本人、地域や民生委員などから相談を受けて、CSW主催の中学校単位にある各部局が集まる地域福祉ネットワーク会議でどうしたら解決できるかが話し合われます。それでも、解決できない場合は、ライフセーフティネット総合調整会議、(専門職を支援する機関、組織の代表が出席)で新たな協働や仕組みを考え解決への取り組みを展開しています。
今の地域が抱える問題は、ひとつの窓口だけでは解決できない問題が多いです。だから豊中市は総合的な「福祉何でも相談窓口」を設置しています。解決が難しい相談は、CSWが一緒に相談に応じます。そして、地域ネットワーク会議で話し合われ、それでも解決できない場合は、ライフセーフティネット会議、専門職を支援する機関や市役所の課長級の役職をお持ちの方などと支援の形を決めていきます。そのような支援の一環で、発達障がいの相談から広汎性発達障がい者家族交流会を立ち上げ、就労やひきこもりに悩む青年期の家族交流会を毎月開催し、交流会では、お互いの思いや情報交換を重ね、涙する親が後を立たなかったそうです。
裏は“制度の狭間”などで既存の制度では解決できない問題の一部ですが、CSWが関わる個別支援事例の解決までの展開図です。
例5の“ひきこもり”のところですが
私も青年期における引きこもりの子どもさん、また発達障がいの子どもさんを持つ親ごさんのご相談を受けることが多いです。「私がいなくなったらこの子はどうなるのか。」と不安の声。「なんとかしてやりたいけど、悩んでいます。」と心を痛めておられます。市の就労相談窓口をご紹介しましたが、本人が行くことができない。何もして上げられないことに本当に悩んでおります。
豊中市はそのような問題の支援を「びーのびーのプロジェクト」と言う新たなサービスを平成23年に開発されました。
国の緊急雇用創出基金の一環で、豊中市より委託を受け、「社会参加してみたいがどうすればいいのかわからない」「自分の適性って何?」「可能性に挑戦してみたいが、心配」「なかなか仕事がつづかない」などこれまで一歩を踏み出しにくかった発達障がい(診断がついていない人やいわゆる「引きこもりがちな人」も含む)を対象に、家族の会である「一歩の会」の皆さんと一緒に、昼間の居場所づくり、社会関係づくりなどをめざします。
ここでは、(園芸)―野菜作り、(パソコン)ーチラシを作ったりホームページを作ったり、(手作り)ーストラップやキャンドルなどつくります。(漫画班)ーなど自分のできることにチャレンジします。(カフェ)ー地域のボランティアさんによるカフェのお手伝いをします。(販売)―手作り作成した商品を販売。(音楽)―毎日プログラムの終わりには合唱。イベントにも出演します。などのプロジェクトを日替わりでおこなっており、自分で行きたいプログラムをエントリーして参加すると活動費として1コマ1,000円もらえます。
社会生活の一歩手前ですが、自分が参加して何かの役に立つことを実感し役に立ったことで活動費で、1,000円もらえる。参加したことが喜びに変わる。一歩ずつ外に出られるようになる。豊中市では2000人の引きこもりの状態にある方がおられて、200人に支援がとどき、26人が外に出られるようになり、3人がパートで働けるまでになったそうです。
今ここに、セーフティーネットと題した漫画の本があります。
このコミュニティソーシャルワーカーの現場、を描いています。ごみ屋敷の事例、ホームレスの事例をCSWが係わって解決へと向かった様子を画いた漫画です。実はこれもその
ひきこもりとなっていた浪人生の女の子がびーのびーのプロジェクトのメンバーにはいり自分の可能性を見つけ出して画かれた物です。本当に素晴らしいと思います。
このようにCSWは、生活上のさまざまな問題で困っていても、既存の福祉の枠組みでは支援を受けられない“制度の狭間”などで苦しむ人に親身に寄り添いそして、対象者一人ひとりの希望を聞き取り、一緒に動いて各関係機関へ各種サービスの申請手続きなどを行います。そうすることにより、支援を必要とする人が相談窓口を探す必要もなく円滑に福祉サービスが提供されることになります。このように、豊中市の地域福祉は先進的な取り組みと全国でも高く評価されております。
西宮市としては、このCSWの役割的なものは民生委員が主にしてくださっている状況だと思われます。その分民生委員の皆さまの負担は本当に重いものと感じます。
また、CSWは、相談者本人に寄り添うことはもちろんですが、地域の皆さんとも一緒に課題を分析し、問題に対する解決法を見つけ出す。という行政の立場からはでききれないところまで手を入れてくれるという特徴も持っています。
さらに、現在の介護保険制度などで対応できない制度の狭間への支援も地域で解決することを目的に新たな事業の開発に取り組んでいます。
このCSWの制度は地域のつながりが衰退する現在においてセーフティーネットの構築に向けては本当に重要な役割を担うと考えます。
そこで質問します。
1点目、地域の生活課題を抱える市民からの相談窓口体制はどのようなものか
2点目、市役所は全てが、申請主義になっております。
申請に行くことすら困難な市民への対応はどのように行っているのか
3点目、 地域の解決できない問題に対してのセーフティーネットづくりとして豊中市のような“制度の狭間”などで苦しむひとのため、また地域のためにコミュニテイソーシャルワーカーの設置が必要と考えるが、市はどのような考えをおもちかお聞かせください。